第28章―幻影―

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その中身を取り出し、床に置く。 そして手をかざし魔力を集中させた。 大きな音をたてて僕のいる魔法陣の中は爆発する。 僕は血を滴らせながら、魔法陣から出る。 先生は僕を見て、信じられないという顔をしていた。 「一体何を……」 先生は魔法陣を見つめながら呟く。 「そう簡単に破れる魔法壁じゃないのに……」 「残念でしたね……」 僕は額から垂れる血を拭いながら言った。 「内側で水蒸気爆発を起こしました。水の魔法は出来るか一か八かだったし、僕も生きていられるかは賭けだったけど」 僕は手にしたものを先生に見せる。 僕が持っていたのは魔力玉。 「魔力玉で火を起こして水で水蒸気を発生させたのか……なんて無茶なことをするんだ君は」 先生は苦笑している。 僕は火の魔力玉を握り締め、ありったけの魔力を集中させた。 「無茶でもいい。ジュリアンに手を出すなら先生だろうと僕も容赦しない……」 ローブの内側から短剣を取り出し、先生に向かって走り出した。 「ルシフェル!!」 先生が叫ぶと悪魔が目の前に降り立つ。 僕はそれでも先生に向かって突っ込んでいく。
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