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悪魔が黒い玉を放つ。
僕はそれを避け、悪魔の懐に潜り込む。
そして悪魔の腹に短剣を突き刺し、縦に斬り裂いた。
悪魔が低く唸り、僕を掴もうとしてくる。
僕はその手にしがみつき、指に短剣を刺した。
それから腕を這い上がり、短剣を投げる。
短剣は悪魔の額にある赤い石に突き刺さった。
悪魔は床に大きな音をたてて倒れた。
額の石を押さえながら苦しんでいる。
僕は悪魔をよそに、先生に向かう。
先生は悪魔の様子にうろたえながらも、僕を見ると手をかざして黒い玉を放った。
黒い玉を避けながら僕は迫る。
そして先生に思いっきり体当たりをした。
先生はバランスを崩す。
僕はすかさずもう一本短剣を取り出して手に突き刺した。
短剣は手のひらを貫通し、床に刺さる。
先生は悲痛な叫び声をあげた。
それから先生の腹に手を当てて魔力玉を使って火をつける。
魔力玉は巨大な炎をあげた。
僕が魔力を集めていたからか、思ったより巨大だ。
先生が熱さで悶え苦しんでいる。
僕はさっと後ろに下がると、ジュリアンのもとに走った。
ジュリアンが入っている魔法陣の前まで来ると水と炎の魔力玉を握り締める。
僕が脱出した時のように爆発させた。
だが魔法壁はビクともしない。
後ろでは先生が笑いながらヨロヨロと立ち上がっていた。
「残念だったね。魔法壁は君のより強くさせてもらったよ。彼女は渡さない。悪魔の糧となってもらうんだから!!」
先生が叫ぶと同時に巨大な魔法陣が光輝く。
空気が震え重くなる。
悪魔の体がうっすらと薄くなる。
ジュリアンの魔法陣も輝いた。
まずい……このままでは悪魔が召喚されてしまうっ!
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