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「風の精霊ジンよ、天へ昇りし風の力を宿す斧と化しその巨大な刃を振るえ! ストームアックス!」
ウェインが叫ぶと、風が渦巻き巨大な刃となってベルゼブルに襲いかかる。
だがベルゼブルは片手で魔法をかき消した。
僕はその隙に足元に潜り込み、魔力を集中させた。
剣は炎を纏い、僕はベルゼブルに切りかかる。
ベルゼブルは僕の攻撃に気づくと翼を羽ばたかせた。
羽ばたきによって起きた風に僕達は吹き飛ばされる。
そしてそのままベルゼブルは空へと向かい、飛び立ってしまった。
僕は床に思いっきり叩きつけられ、魔法陣のそばに倒れ込んだ。
ウェインは壁にぶつかり、呻きながらうずくまる。
ベルゼブルは飛び立った。
街は混乱しているだろう。
いきなり現れた悪魔を見て。
悪魔も暴れているだろう。
僕にはどうすることも出来ないのだろうか……。
僕は床を殴る。
どうしてこんなにも無力なんだ!
誰一人として守れない!
悔しい……。
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