第29章―招かれざる災い―

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僕は何度も何度も床を殴る。 ふと頭の中をあの時のことがよぎる。 悪魔に対抗出来るもの……天使……それにもう一つあった。 これは偶然発見したことだけど、これも天使同様僕達には無理だと思っていたから、二人には話さなかった。 けど、今はやってみるしかない。 これは天使と違い、禁忌ではないのだから。 僕は立ち上がり、魔法陣を見下ろした。 このくらいあればあれを召喚出来るだろう。 だけど周りの文字を部分的に書き換えなければ……。 あとは束縛の魔法が悪魔に効いてなかったところを見ると、魔法陣の何処かが未完成なはずだ。 そこも直さなきゃ。 召喚出来るかはわからないが……とにかくやってみるしかない! 僕はジュリアンのポケットから白いチョークを探し出した。 そして先生が描いた魔法陣を手直しする。 「これで……召喚するんだ……」 文字を手直し終えると、魔法陣の未完成の部分を探す。 それも無事見つかり、すばやく書き直す。 そして魔法陣の横に立つ。 手をかざし、呪文を唱えた。
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