第29章―招かれざる災い―

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「大切な人を守りたい。けど僕にはその力がない……だから……貴方の力を貸してくれ!」 僕はそいつを睨みつけた。 そいつも僕を睨む。 絶対にジュリアンを……ウェインを守るんだ。 大切な僕の友人を……守るんだ! そいつは目を閉じた。 そして僕に頭を下げる。 『子供のくせに度胸はあるのだな。そして……我を召喚するほどの魔力……いいだろう! 我が火竜の力! 汝に貸そう!』 魔法陣が輝く。 僕の右腕も輝き始めた。 光が消えると、そこにはドラゴンのような刻印が刻まれている。 『我が小さき主人よ……我に汝の命を下せ』 僕はドラゴンを見つめた。 ドラゴンも僕の命令を待っている。 「飛んでいった悪魔を……倒せ」 『承知した』 ドラゴンは翼を広げる。 そして悪魔が使った穴を通り、空へと羽ばたいた。
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