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僕はその場に仰向けに倒れる。
ウェインが僕に駆け寄ってきた。
「フェイア凄いよ! 凄い、凄過ぎる! どうしてドラゴンを召喚出来たの!? なんで召喚呪文に召喚陣の文字を知ってるの!?」
「一度に質問しないでよ……頭に響くから……」
僕は苦笑しながら言った。
「召喚陣とか召喚呪文とかは教科書とか本とかで覚えた。ドラゴンには興味があったから……。
あとは悪魔が召喚されてしまった時のことを考えてね。偶然、図書室から借りた本で悪魔と対抗できる魔物として出てたから、いざとなったらって。
だけど一人で召喚するつもりは無かったんだ。二人に協力してもらうつもりだったけど……ジュリアンは気を失ってるし……」
「フェイアだけであんな巨大なドラゴンを召喚出来るなんて……すごすぎる……」
「奇跡が起きたんだよ……ただそれだけさ……。
さてと……僕達も外へ……行こう。ジュリアンも運ばなきゃ……ここは危ないから……」
僕は剣を支えにして起き上がる。
ジュリアンのそばまでいくと、まず衰弱して倒れているユーノを抱える。
それからジュリアンを抱えようと手を伸ばした。
だが、僕の手が届く前に他の手がジュリアンを抱きかかえた。
「ウェイン……」
「フェイアもふらふらだから。ジュリアンは僕が運ぶよ」
「ありがとう」
僕はウェインに笑いかけた。
そして二人で召喚場をあとにした。
長い階段を上りきると、先生達が右往左往に走り回っている。
どうやら侵入してきた魔物達とまだ奮闘しているようだ。
先生達は忙しいからか、僕達に全く気がつかない。
僕とウェインは先生の間をかいくぐりながら出口へと進んだ。
廊下を走り抜ける。
時々現れる魔物をウェインが風の壁を作りだし、阻んだ。
そのお陰で、難なく出口まで辿り着くことはできた。
僕とウェインは顔を見合わせる。
そして同時に扉を開き、学校の外へと飛び出した。
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