第29章―招かれざる災い―

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僕はその場に仰向けに倒れる。 ウェインが僕に駆け寄ってきた。 「フェイア凄いよ! 凄い、凄過ぎる! どうしてドラゴンを召喚出来たの!? なんで召喚呪文に召喚陣の文字を知ってるの!?」 「一度に質問しないでよ……頭に響くから……」 僕は苦笑しながら言った。 「召喚陣とか召喚呪文とかは教科書とか本とかで覚えた。ドラゴンには興味があったから……。 あとは悪魔が召喚されてしまった時のことを考えてね。偶然、図書室から借りた本で悪魔と対抗できる魔物として出てたから、いざとなったらって。 だけど一人で召喚するつもりは無かったんだ。二人に協力してもらうつもりだったけど……ジュリアンは気を失ってるし……」 「フェイアだけであんな巨大なドラゴンを召喚出来るなんて……すごすぎる……」 「奇跡が起きたんだよ……ただそれだけさ……。 さてと……僕達も外へ……行こう。ジュリアンも運ばなきゃ……ここは危ないから……」 僕は剣を支えにして起き上がる。 ジュリアンのそばまでいくと、まず衰弱して倒れているユーノを抱える。 それからジュリアンを抱えようと手を伸ばした。 だが、僕の手が届く前に他の手がジュリアンを抱きかかえた。 「ウェイン……」 「フェイアもふらふらだから。ジュリアンは僕が運ぶよ」 「ありがとう」 僕はウェインに笑いかけた。 そして二人で召喚場をあとにした。 長い階段を上りきると、先生達が右往左往に走り回っている。 どうやら侵入してきた魔物達とまだ奮闘しているようだ。 先生達は忙しいからか、僕達に全く気がつかない。 僕とウェインは先生の間をかいくぐりながら出口へと進んだ。 廊下を走り抜ける。 時々現れる魔物をウェインが風の壁を作りだし、阻んだ。 そのお陰で、難なく出口まで辿り着くことはできた。 僕とウェインは顔を見合わせる。 そして同時に扉を開き、学校の外へと飛び出した。
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