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僕は街の光景を見て驚愕する。
建物は燃え上がり、その周りを人々が逃げ回っている。
魔法を使える者は、火事の被害を押さえようと悪戦苦闘していた。
僕達が呆然と街を見つめていると、ジュリアンが微かに動いた。
「ん……」
「ジュリアン!」
僕はウェインのそばに行く。
ジュリアンはゆっくりと目を開けた。
「フェイ……ア? ウェイン……も。ここは……悪魔……は?」
「落ち着いて、ちゃんと説明するから……」
ウェインはそっとジュリアンを下ろす。
ジュリアンは僕の説明に耳を傾けた。
「そんなことがあったのね……私も出来る限りのことはするわ! だから私達に指示を出して、フェイア!」
「僕も……頑張るから指示を!」
ウェインとジュリアンは僕の目を力強く見た。
「分かった。じゃあジュリアンは火を消しに回って。このままだと被害が大きくなってしまうから」
「わかったわ!」
「ウェインは人々の避難の手伝いを。特に子供をね」
「任せて!」
「僕はドラゴンと一緒に悪魔と戦う。先生が来るまでね。街のほうは頼んだよ、二人共!」
ジュリアンとウェインは頷くと、街に向かって走り出していった。
僕も二人の姿が見えなくなってから走り出した。
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