第30章―闇の力炎の力―

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広く、人がいないところへ行き、僕はドラゴンを呼び寄せた。 ドラゴンはすぐに僕の声に応え、地面に着地する。 僕はドラゴンの背に乗り、剣を握りしめる。 そして、悪魔の元へ行くように指示した。 街が小さくなっていく。 逆に悪魔の姿は巨大になる。 僕は体の震えを押さえながら悪魔を見上げた。 悪魔はドラゴンの背にいる僕を見つけると笑い出した。 『ハハハハハ! 気高きドラゴンが人間ごときに仕えるとは傑作だ!! 愚かな人間に従うとはドラゴンも落ちぶれたんじゃないのか?』 悪魔はせせら笑いながら言った。 ドラゴンは口から炎を吐き、悪魔に攻撃を仕掛ける。 悪魔は身を翻し、炎をよけた。 『このフェノロサ、自分の意思でこの者に仕えた! お主等悪魔なんぞに貶される覚えはないわ! 我が業火で焼き尽くされよ!!』 そう言ってドラゴンはまた炎を吐き出す。 悪魔は黒い壁を作り出し防御した。 悪魔はドラゴンから離れていく。 ドラゴンはベルゼブルを追いかけた。 「貴方の名はフェノロサと言うのですか……」 僕はドラゴンに話しかける。 『名乗り遅れたな。我が名はフェノロサ。業火の魂を持つドラゴン』 「フェノロサ……改めて頼む。力を貸してくれますか?」 『無論。我が力は汝の力。我が血肉と力を汝に貸し与えよう!』 そういうとフェノロサは炎を吐き出す。それと同時に僕の体も熱くなる。 腕が足が変形していく。 背中も痛い。何かが僕の中で盛り上がっている。 痛みが収まった時は僕の姿は変わっていた。
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