第30章―闇の力炎の力―

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▼△▼△▼△▼△▼△▼ 「もう! 炎が消えないじゃない!」 ジュリアンは燃え上がる家々に向かって水を放っていた。 だが、努力虚しく、炎は燃え続けている。 「火の精霊が活性化しすぎて……対極の水の精霊が弱ってる……これじゃあ火がおさまらないっ……」 ジュリアンは落胆し、自分の無力さを恨んだ。 「フェイアの手助けも出来なかったのに……こんなことさえ出来ないなんて……」 「今、貴女、フェイアって言った?」 誰かが後ろから話しかける。 ジュリアンは後ろを向いた。 そこにいたのは一人の少女だった。 よくみる踊り子の衣装を身に纏い、蒼く長い髪をなびかせている。 どこかの宿で働いてる子なのかしら? それよりも、フェイアとこの子は顔見知りなの? ジュリアンは少女に警戒しつつ、話しかけた。 「そうだけど……」 「貴女、フェイアの知り合いなのね?」 「誰……なの?」 「私もフェイアの……知り合い。こんなことになって迷惑してるから……手伝うわ」 少女は目を閉じ、何かを呟いた。
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