352人が本棚に入れています
本棚に追加
/386ページ
▼△▼△▼△▼△▼△▼
僕の肘から下は、赤いドラゴンのような腕になっていた。
指があるところには鋭い爪が生えている。
背中の痛かった部分には翼が生えていた。
僕は戸惑いながら、自分の姿を見回す。
それにさっきまで尽きそうだった魔力が溢れてくる。
体力も戻ってきた。
『汝と我を部分融合させた。これで汝も我がドラゴンの力を使うことが出来るはずだ』
「ドラゴンの……力を……」
『そうだ。さっさとあの礼儀知らずな悪魔を倒そうではないか』
「うん!」
僕は剣を握りしめ、魔力を送る。
さっきとは比べものにならないくらい巨大な炎の剣が現れた。
僕はそれを構え、空へと羽ばたく。
ベルゼブルは僕を落とそうと、大小様々な黒い玉を放ってきた。
僕はそれをよけながらベルゼブルに向かっていく。
ベルゼブルは顔をしかめると、後ろへよけた。
それから人差し指に黒い光を宿すと、縦に下ろした。
黒い光は線となり、空間を切り裂く。
ベルゼブルはその空間に手を突っ込み、赤黒い刀身の剣を取り出した。
『剣なら剣で応えようぞ……人間ごときに負けはしないがな!』
「お前は人間に負けるんだ!」
僕は両手で握りしめ、魔力を注ぐ。
剣に纏った炎は更にでかくなり、ベルゼブルに襲いかかった。
最初のコメントを投稿しよう!