第30章―闇の力炎の力―

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『手放したな……これで終わりだ!』 ベルゼブルは剣を構え切りかかる。 左右には逃げられない。 後ろに下がったとしても……あのスピードじゃ下がったって意味がない。 なら……! 僕は体を小さく丸めた。 翼の羽ばたきを小さくする。 ベルゼブルの剣が僕に迫ってくる。 まだだ……まだだ……よし!! 僕は思いっきり翼を羽ばたかせた。 僕の体は回転し、勢いよくベルゼブルに向かっていく。 ベルゼブルは僕の行動に驚き、一瞬戸惑う。 僕の体はベルゼブルの剣を紙一重で避け、奴の懐に潜り込み、爪で引き裂いていく。 ベルゼブルは痛みで顔を歪めると、僕から離れた。 ベルゼブルの腹部からは血が流れ滴っている。 僕は体を起こし、ベルゼブルを睨みつけた。 「まだ……終わってたまるか!!」 ベルゼブルは傷口を押さえながら僕を見た。 目には怒りが浮かんでいる。 『人間ごときが……我の体を傷付けおって……ただじゃすまさ……』 ベルゼブルの言葉は途中で途切れた。 ベルゼブルは急に苦しみだす。 体は歪み、薄くなっていく。 ベルゼブルの下の地面から光が天へと突き上げた。
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