第30章―闇の力炎の力―

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光の柱は雨雲を裂き、美しい夜空を露わにする。 雨雲が取り払われた先には、赤い月が輝いていた。 突き上げてきた光はベルゼブルを包み込んでいく。 ベルゼブルは苦しみ悶えている。 僕は訳が分からないまま、ベルゼブルを見つめた。 僕の後ろにフェノロサが飛んでくる。 『あれは……一体なんなのだ……?』 「分からない……」 僕はフェノロサに応える。 すると下から声が聞こえた。 「招かれざる悪しき力よ! 天界の陽の輝きを纏い、浄化の光と成りて永久の闇を切り裂き、邪なる力を飲み込み元の無へと帰せ!」 輝きが一層強くなる。 ベルゼブルは月に向かって叫び声をあげた。 「人間め!! 我が自由を奪いおって……許さぬ……絶対に!!」 光は渦を描き、下へと吸い込まれていく。 ベルゼブルの体も光と共に消え去っていった。 光が吸い込まれたところには魔法陣があった。 そう、悪魔が現れ、僕が竜を召喚した魔法陣が。 だがその周りにいたのはキリア先生ではなく、金色の髪をなびかせ黒いローブをはためかせているフロージア様だった。
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