352人が本棚に入れています
本棚に追加
/386ページ
僕は部分融合を解き、フェノロサの背にまたがる。
そしてフロージア様のもとへと向かった。
「フェイア。お疲れ様です。よく持ちこたえましたね」
「フロージア……様……」
僕はフェノロサから降り、先生に歩み寄った。
「私としたことが、見事に足止めを食らってしまいました。遅くなりましたが、貴方が無事でよかった」
フロージア様はいつもと変わらぬ笑みを浮かべる。
僕は緊張が解け、その場に座り込む。
今になって体が震えてきた。
立とうとするけど、力が入らない。
「無理に立たなくてもいいのですよ。貴方は自分の想像以上のことをしたのですから。私達が出来るかわからないようなことを」
フロージア様の後ろにいたロドル先生が薬のビンを僕に差し出した。
「これを飲みなさい。疲れが少しはマシになるだろう」
「ありがとうございます」
僕はそれを受け取り、なんとも言えない味がしたが一気に飲み干した。
「本当に、お疲れ様でした」
フロージア様はしゃがみこみ、僕の体を抱きしめた。
最初のコメントを投稿しよう!