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「フェイア起きなよ!!」
僕の体を誰かが揺らした。
僕は目をこすりながら開ける。
「ほら、今日はフロージア様のもとへ行くんでしょう? まだ疲れてるかもしれないけど、このままだと遅れるよ?」
僕は時間を確認した。
フロージア様と約束した時間まであと十分しかなかった。
「なんで起こしてくれないんだよ!?」
「起こしたよ! フェイアがもう少しだけとか言って全然起きなかったんだろ!」
「そうだったっけ?」
僕は服を着替えながら聞いた。
ウェインは呆れたように溜息をつく。
「いいから早く行っておいでよ」
「はいはい。いってきます!」
僕は椅子にかけてあるローブを手に取ると、部屋を飛び出した。
あの時から三日。
まだ校舎は壊れた部分があるが、いつもの賑やかさを取り戻していた。
だけど変わったのは校舎だけではなかった。
みんなの僕を見る目が変わっている。
僕が人の前を通り過ぎる度、後ろでキャーキャー言ってたり、知らない人が僕に話しかけてきたりする。
これらは全て、あの日起こったことが原因なのだが……。
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