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それからの三日間は確かに忙しかった。
三日といっても、初日は僕は一日ずっと寝てたらしいから知らないけれど。
魔物によって壊された校舎の修復に、怪我人の治療。
結界の修復・強化もあったっけ。
先生は校舎内を走り回り、生徒も修復に励んでいた。
けどまだ完全には直っていない。
特に召喚場から空に向かって空いた穴は、かなり時間がかかるそうだ。
僕はそれを先生から聞いて少し罪悪感があった。
「フェイアー」
後ろから誰かが思いっ切り抱きついてきた。
僕の顔にかかった髪を見て、僕はすぐに誰だか理解した。
「いきなり抱きつくなよ、ジュリアン……」
「いいじゃなぁい。嫌じゃないんでしょう? 私には分かるんだからぁ」
ジュリアンがニヤニヤしながら僕の顔を覗き込む。
僕はジュリアンを無視して歩き続けた。
「無視しないでよぉ」
「僕は急いでるんだよ」
「あぁ、フロージア様のとこに行く日なのねぇ」
ジュリアンが僕の前に立ちふさがった。
僕は溜息をつく。
「そうだよ。だからどいて」
「わかったわ。じゃあ後で談話室に来てねぇ。ウェインと一緒に」
ジュリアンはそう言って僕の肩を叩く。
それからにっこりと笑い、立ち去っていった。
僕は駆け足でフロージア様の所へと急いだ。
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