第31章―何気ない日常―

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僕はフロージア様の研究室の前まで来ると、僕は深呼吸してから扉を叩いた。 中から先生の声がし、僕は扉を開ける。 フロージア様は机に肘をたてた状態で座っていた。 「時間ぴったりね。どうぞ、そこにかけて頂戴」 フロージア様はにっこり笑った。 どこからか椅子が飛んできて、僕の前に置かれた。 僕は言われた通り椅子に座る。 「さて、フェイア。貴方をここに呼んだのは貴方のランク、階級について話すためです」 「ランク……ですか?」 「えぇ」 フロージア様は微笑んだ。 「貴方はマスターでも困難と言われるドラゴンを召喚しました。貴方の魔力と召喚魔法はマスタークラスと同じくらいあるわけです。ですが、基本的な能力はまだウィザードクラスです。成績を見ると、まだ火と風しか使えていませんからね」 僕はフロージア様の話にうなづいた。 「また、仕方がなかった状況とはいえ、貴方は違反を相当犯しましたね。 先生の指示は無視し、魔具庫から道具を持ち出し、授業以外で召喚魔法を使い、実力以上の魔獣を召喚した。 これは罰則の嵐ですよ。普通ならここから追い出されてしまうでしょう」 「すみません……」 「しかし、貴方のおかげで沢山の命が助かったのは事実。なので私達は考えました」 フロージア様から笑みが消え、真剣な顔付きになる。
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