第31章―何気ない日常―

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▼△▼△▼△▼△▼△▼ 「……貴女の息子は立派に育ったのね」 フロージアは本を開き、一枚の紙を眺める。 その紙はフェイアがここに来た時に名前を書かされた紙。 しかし、名前の欄には『フェイア・ウィルヘルム』ではなく、『フェイア・フェイレス』と書かれている。 「名を見たときは驚いたわ。まさか、生きていたなんて思わなかったから。あの時、貴女とロイさんと一緒に死んでしまったと思ったの。 でも、こうして会えるなんて。ファーの弟子となってここに来るなんて……貴女が導いているの?」 その紙をしまい、別の本を取り出す。 それには写真が沢山貼られていて、フロージアはパラパラとページをめくっていく。 そして、ある写真が貼られているページで手を止めた。 「貴女に似て、すごく魔法の素質があるわ、彼。この一年で貴女のようにマスタークラスまで昇りつめるのかしら……ねぇ、リリム……」 その写真を指で愛おしそうになぞりながら、フロージアはぼそりと呟いた。
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