第1話

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「なぁりな。俺のノート勘弁してくんねぇ?」 魁皇先生が教室から出て行き、担任の山本先生がホームルームの為入れ代わりで入ってくる。 そんな中、幼なじみの京介(きょうすけ)が私に擦り寄って来た。 「残念。いつも寝てる京介が悪い」 私は京介にデコピンをして、皆から渡されるノートを受け取る。 「桐生。いつも大変だなぁ、数学係」 担任に気遣われた私。 「ありがとう先生。でも全っ然大変じゃない!あ、先生早くホームルーム終わらせてね」 私はノートを綺麗に整え、一旦自分の席に戻る。 「じゃーホームルーム始めるぞ」 山本先生の言葉が耳に入ってきたのはこの言葉だけ。今の私には、もう早くこのノートを持って魁皇先生の所に行きたくて行きたくて仕方なかった。  
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