第1話

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でも。 先生は大人で、私より10こも歳が上。私の事は本当に生徒としか見てくれていない。 だけどそんな事関係ない。 だって私は先生が大好きだから。だからパソコンしか見なくても、へこんだりしないもん。 「じゃ、先生。私帰るね」 くるりと向きを変え、先生の背中に話し掛ける。 「桐生。お疲れさん」 先生はまだパソコンを見ながら私にそう言った。 はうあー! もうその言葉を着ボイスにしたい!! 今の言葉だけで私は幸せぇー…。 ペチャ 「ひゃあっ!?」 ボーッとしていた私の頬に、冷たい何かが当たった。 私は頬を摩りながら前を見る。 「ご褒美」 いつの間にか先生が私の前に立っていて、手には紙パックの苺ミルクジュースがあった。 「えっ…」 「いらねぇのか?」 先生はジュースをプラプラと私の顔の前で揺らす。 「いるっ!!」 私はガシッとジュースを掴む。本当は先生の手を掴みたかった。 でもそんな事したら、絶対ジュースをくれなくなるからしないけど。  
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