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でも。
先生は大人で、私より10こも歳が上。私の事は本当に生徒としか見てくれていない。
だけどそんな事関係ない。
だって私は先生が大好きだから。だからパソコンしか見なくても、へこんだりしないもん。
「じゃ、先生。私帰るね」
くるりと向きを変え、先生の背中に話し掛ける。
「桐生。お疲れさん」
先生はまだパソコンを見ながら私にそう言った。
はうあー!
もうその言葉を着ボイスにしたい!!
今の言葉だけで私は幸せぇー…。
ペチャ
「ひゃあっ!?」
ボーッとしていた私の頬に、冷たい何かが当たった。
私は頬を摩りながら前を見る。
「ご褒美」
いつの間にか先生が私の前に立っていて、手には紙パックの苺ミルクジュースがあった。
「えっ…」
「いらねぇのか?」
先生はジュースをプラプラと私の顔の前で揺らす。
「いるっ!!」
私はガシッとジュースを掴む。本当は先生の手を掴みたかった。
でもそんな事したら、絶対ジュースをくれなくなるからしないけど。
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