第1話

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ガラッ! 「先生!貴方の桐生りな参上しましたー」 「うるさい」 狭い数学室に、珈琲を飲みながらパソコンの前に座っている先生は、私には見向きもしないで低い声で注意した。 でもその低い声がまたス・テ・キ! 「ノートここに置きますね」 パソコンの真後ろ、つまり今の先生の背中側にある机にクラス皆のノートを置く。 「……」 チラッと先生を見る。でも、先生はパソコンの画面に集中していて私をチラリとも見ない。 「ハァ…」 今日も相変わらず素っ気ないなぁ。ま。それが先生なんだけどね。 魁皇昴(かいおうすばる)。 私が1年の時、うちの高校に数学の講師としてやって来た。  
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