最悪のスタートライン

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王様になった兄。ヒロを心配する母親。 ヒロは家でも行き場が無くなった。冬の寒い日に、こたつから追い出され、ヒロの食事中にも関わらず兄は母親に布団をひかせて電気を全部消して一番最初に眠る。そして、ヒロがいるときには家に飼ってるインコに向かって、悪口を並べた「何であいつは生きとんかのぉ!」「バカは死ねばいいのにのぉ!」インコが「ピピッ」と鳴くと「そうか、お前もそう思うとるよの!」とヒロに聞こえるデカイ声で言った。ヒロは無性に居場所の無さを思い知らされた気分だった。小遣いをポケットに入れて近くのカプセルホテルへ行った台帳に名前と年齢を記入したらホテルマンが不思議そうに見ていた。鍵を渡され、大人が丁度、寝れるスペースに案内された。何故かこのスペースの中ではストレスも感じる事なく、熟睡できた。朝、母親に、この場所はばれてしまい優しい声で「早く出ておいで」と言ってくれたが、ヒロは出たくないので、チェックアウトまで、そのスペースにいた。そしてカプセルホテルを出て路上にたたずんでいたが、もう一泊する、お金もなく、しょうがなしに帰宅した。ホテルマンは未成年を泊まらしたとして警察から厳重注意を受けたらしい。兄はそんなヒロを見て舌打ちをして、またインコにしゃべりはじめた「何で帰ってくるんや」生まれて初めて殺意を感じた。
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