最悪のスタートライン

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ヒロの兄の暴力は日に増していき、頭を殴り続けてはホークで顔に投げ付けたりタバスコをヒロの目にに振り掛けて「目が火事になったー!」と泣き叫ぶヒロをみて笑い続けていた。流石に母親はこの時、怒ったが「こんな奴に何してもいいじゃん」と笑いながら言った。「このままではいつか、殺される」おまけに不眠症は治らず、不登校になったヒロの母親は「どうする今の中学生」とかいう題名の本を山程買って、必死に読んで、重要だと思うページに折り目をつけて、赤ペンで言葉をなぞっていたりして、ヒロに見付からぬように押し入れの奥に隠していた。それをヒロの兄は見付けてヒロの学習机の上に目立つように並べ、ヒロがそれを見て涙ぐんでいると、また大笑いした。そんな、すさんだ時期にヒロにとっては大きな朗報が届いた。ヒロの兄が大学進学で福岡に行く事になった。「悪魔が去った」ヒロの心は晴れやかになった。そして人生を変える転機が訪れる。後日、分かった事だが、ヒロへの暴力や暴言は学校でいじめられてた腹いせだったらしい…
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