第1章

26/50
前へ
/529ページ
次へ
「失礼します」 望もかなり落ち込んでいる。まさかあんな状況に陥るとは思ってもいなかったからだそれに好きな人に見られるとは 「あの人とあれからどうしたの?」 あんまり考えたくはないけれど彼がどう反応するか知りたかったからだ。 「久瀬さんのことですか?」 望はできるだけ早く忘れてしまいたいと思っていた。 「そう」 目をそらしながらぼそっとつぶやいた。 「久瀬さんとはなんでもないんです」 望は早く誤解を解きたかった 「なんでもない人と普通キスなんてしますか?」 綾芽はまたまた泣き出した。望ははっとして思わず綾芽に顔を近づけ 「彼女が勝手に・・・ 本当の事を言いますと好きだと告白をされました。」 綾芽はかなり驚いている 「でも、僕は断ろうとした」 望は真剣な顔で言った 「えっ?」 綾芽は目をウルウルさせた。 「あなた・・はい!そうです」(本当は僕は〔あなたが好きだからです〕 と伝えたいと思った。でもまだ言ってはダメなんだ。それにまだ僕は彼女・久瀬さんに本当の気持ちを伝えていない。ぱっと何も考えずに言ってしまえばよかったんだ。〔ごめんね。君とは付き合えない〕って普通に言えるはずなのに言えなかった。彼女にはできなかった。喉までつっかえていた言葉が僕には言えなかった。同情?そうだ。同情だったのかもしれない。彼女には本当に悪いことをした)
/529ページ

最初のコメントを投稿しよう!

159人が本棚に入れています
本棚に追加