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「俺が最後に放ったボルケーノの攻撃、少年には当たって無かった」
それを聞いたマグナグとティルは、何故と聞き返す。
確かに自分のこの目で、エレンの身体に槍が突き刺さるのを見た。
はずだった。
それを確認すると、ロイターンは槍が突き刺さった後、エレンが貫かれた後の事を聞いた。
答えられなかった。
ただ、エレンの右手がロイターンの左頬に当たっているのが見えた。
それだけ。
それを聞くとロイターンは、その時何が起きたかを鮮明に語った。
「俺はあの少年、エレン・ファウベルを突き刺した。そのはずだった。だけど、感覚が無かった、人を突き刺す感触が無かったんだ。気ずいたらエレン・ファウベルは横にいて右手が…。俺の槍はエレン・ファウベルの横を通過しただけ」
要するに、エレンに自分の攻撃がなんで当たらなかったのかわからないのだ。
「お前が目測を謝ったとか…は、無いな」
ティルは顎に手を当て、ぶつぶつ言いながら考えている。
マグナグは、そんな事でフェニックスを使うな!とロイターンに説教中。
すると、ティルはひらめいたかのように自信を持って、自信なさ気に言った。
「狙いがずらされてた、と…か?」
三人で一緒に唸りだし、しばらくの無言。
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