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エレンのその言葉に、その場にいた全員が頷いたのはないしょだ。
「良いだろう。この戦いが終わったら、少年。お前はこの槍のかっこよさに惚れるだろう」
再び構えを取り、攻撃を開始した。
ボンッ
一瞬の爆発音。
それに驚いてしまったエレンは、反応が少し遅れた。
反応がもう少し遅れていたら、右脇腹をすべて焼きちぎられていた。
だが、すぐに追撃を掛けて来ないところを見ると、構えを取ってから数秒の溜めがいるらしい。
「どうした?ギブアップか?」
ロイターンは余裕の口ぶり。
そこからの戦いは一方的。
ロイターンの攻撃をエレンが避ける。
ただ避ける。
エレンは直線上から抜ければ避けられると思っていたが、甘かった。
軌道上から外れるととすぐに、方向修正して追いかけてくる。
エレンは獣の足を使って、なんとか直撃は避けているものの、体のあちらこちらに火傷のあと。
そんなエレンに限界がちかずいた。
「ぐぅ…ぁあぁぁぁあ」
エレンは両膝をつき、左腕を押さえ、苦痛に因る叫び声を上げる。
エレンの周りに白い水蒸気の様な煙りが立ち、晴れた頃には両膝、左腕共血だらけ。
それでも負けられないと、立ち上がるエレンの姿があった。
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