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「エレン!大丈夫か!?」
マグナグはエレンの身体のあちこちを触り、ロイターンに刺された傷を探す。
だが、傷はなかった。
エレンの右手だけが、ロイターの左頬に届いていたのだ。
それから、いち早く動き出したマグナグとティルより先に着いていた小動物四匹。
今はエレンの側で静かにしている。
ティルとウルルは水属性の治癒魔法を使い、エレンの両足と左腕の治療中。
いろいろ謎の残る戦闘だった。
得に、ロイターンがフェニックスを出し、後一歩の所で足を止めた事。
フェニックスはロイターンの最強攻撃。
故に幾多の戦場でソレを出した時、立ち止まる事など無かった。
だが、足を止めた。
何故?
マグナグは本人に聞くのが一番早いと考え、エレンとリファ達三人を別室へ移動させ、ロイターンの氷が溶けるのを待った。
しばらくするとフェニックスの持っていた熱で、氷がすべて溶ける。
「っ…だはぁ~、はぁ」
今までの分を取り戻すかのように、酸素を身体に巡らせる。
そして、ロイターンは自分の神具をしまうと二人にこう言った。
「…助かった。感謝している」
ロイターンの感謝の意は、マグナグとティルには伝わらない。
自分達が助けたのはロイターン、ではなくエレンだからだ。
伝わってないと悟ったロイターンは、何が起きたのかを話しはじめた。
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