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ドンッ!
左肩が何かにぶつかった。
それを確認する間もなくいきなり胸倉を捕まれる。
「おいテメエ!ぶつかっといて謝罪もなしか?なあっ!」
「だから今何とぶつかったか確認しようと思ったとこだろうが!」
「あ゛ぁ?テメエの目はふしあなか?」
「やめなさい!」
リファが間に入る。
「おー恐い。保護者の当日か?」
「あのねエレンは…」
「リファ!」
リファの声も十分大きかったがそれ以上の声でエレンが前に出た。
「ぶつかった事は悪かった。」
「おいおい、謝ればすむでも思っ………」
最後の一言の途中でエレンが教室中に聞こえるような大声で言う
「ただ!ただ俺の左目開かないんだ…」
と言って髪の毛で隠れていた顔の左側を見せる。
そこには額から左目を通って頬まである刀傷と開かない左目があった。
教室内が沈黙に包まれる。
「けっ!そういう事は自己紹介の時に言いやがれ!」
と言い残して不良は教室を後にした。
教室はまだ沈黙に包まれていて妙な空気を漂わせている。
その沈黙を破ったのが他でもないエレンだった。
「えーと?ウルルちゃん?だっけ?」
「はひゃ!?」
ドキッとしたウルルが漏らした第一声で一気に教室の空気が和んだ。
「あぁ、そこか。」
とエレンがウルルの隣に行く。
「じゃあ、改めてエレン・ファウベルだ。エレンでいい。よろしく。」
「あっ…はいっ!じゃあ私も」
一息入れてから、
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