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~一時間前~
―キーンコーン・・・・
放課後を告げるチャイムの音・・・は少し前に聞いたな。
じゃあこれは放課後から50分経過した事を告げて・・・
「おぃ、シオン。」
早いな。居残りさせられて、もう50分も経ったのか・・・
「シオン・カーディナー!」
「え、あ、はぃ。」
「はぁ・・・ったく、俺の話聞いてたか?お前にとってだいぶ、いやかーなーり!重要な事のはずなんだがな?」
俺の目の前でため息を吐きながら注意してきた男。
この人は俺のクラスの担任で、名前はアドニス・スプリッツァー。
大雑把で適当、生徒と一緒になって遊んでる姿なんかもたまに見る・・・なんか、こうして考えると先生って感じがしないな。
まぁ、だから『アドにぃ』なんて呼ばれてるし、そういうところが生徒に慕われている理由の一つなんだろうけど・・・
「それで、何の話でしたっけ?」
俺の一言にまたもため息。
「・・・だからな?今のままだと、お前に『主(ロード)』が見つかるかどうか怪しいって事を心配してるんだよ。」
それが俺が居残りさせられている理由。
放課後になり、
「ちょっと大事な話があるから教室に残っていてくれ。」
と先生に呼び止められたのだ。
いつもは適当な先生も真剣な表情だ。それだけ心配してくれているんだと、表情からも伝わってくる。
俺は頭を掻きながら、
「まぁ、騎士(ナイト)クラスの問題児ですからね、俺は。」
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