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「シオンはさ……初めて会ったときから私を一番に殺したかったんだよね?」
俺より前を走る恋華の表情を見ることは出来なかったが、その声に違和感はない。また、
「一番」
を強調する所が可笑しかった。
「あぁ…そうだ……」
別に嘘をつくところじゃない。俺は本心を伝えた。
「……でも、それは―――」
『違ったんだよね』
俺の言葉を遮り、恋華はその言葉を口にした。
「でも、それが愛情でなくてもいいんだ、別に。…私は……シオン…紫苑が私をどんなことでだって、一番にしてくれたことが嬉しい…」
恋華は俺と繋がる手に少し力を入れる。
『好きだよ、シオン。……たとえ私の一人よがりでも……この気持ちは譲れない』
「……」
「きゃっ!? どうしたのシオン? 急に止まらないでよっ!」
急に足を止めた俺に恋華は転びそうになりながらも姿勢を直す。
「……本当、勝手だよお前」
「えっ?」
今だから伝えたい気持ち。
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