殺意:終焉愛葩

6/7
8人が本棚に入れています
本棚に追加
/170ページ
「シオンはさ……初めて会ったときから私を一番に殺したかったんだよね?」  俺より前を走る恋華の表情を見ることは出来なかったが、その声に違和感はない。また、 「一番」 を強調する所が可笑しかった。 「あぁ…そうだ……」  別に嘘をつくところじゃない。俺は本心を伝えた。 「……でも、それは―――」 『違ったんだよね』  俺の言葉を遮り、恋華はその言葉を口にした。 「でも、それが愛情でなくてもいいんだ、別に。…私は……シオン…紫苑が私をどんなことでだって、一番にしてくれたことが嬉しい…」  恋華は俺と繋がる手に少し力を入れる。 『好きだよ、シオン。……たとえ私の一人よがりでも……この気持ちは譲れない』 「……」 「きゃっ!? どうしたのシオン? 急に止まらないでよっ!」  急に足を止めた俺に恋華は転びそうになりながらも姿勢を直す。 「……本当、勝手だよお前」 「えっ?」  今だから伝えたい気持ち。
/170ページ

最初のコメントを投稿しよう!