夢想への鍵

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オレンジ色のやたら角張った光がボルゾイを包んでる よく見るとボルゾイの目の色がおかしい 左右違う色な上にじっとみてると色がじわっと変わっていく 「オレンジの結界‥‥フィールドをあえて凝縮させてやがる」 何を言ってるかわかんないけど触れないってこと? ポイッとナイフの柄を投げ捨てる 「小僧‥‥これからは下を向いて歩くがいい、それが弱者にできる長生きの秘訣」 ボルゾイが笑った 偉そうだけど 偉いんだろうな どうすんのよ? 逃げる? もうすぐ電車くるし 「そんな性格なら苦労はしねぇんだけどな」 リッパーは両手のグローブを私に投げた ‥‥おっと よく見るとリッパーの手 右手がボヤッと赤黒く光り 左手も同じく青白く光ってる バシュッ!と両手の爪が伸びる 猫の爪とは言えない さっきのナイフより長いかも 両手の光が爪に伸び 爪がそれぞれの色に鈍く光る すぐ目の前で睨み合う犬と猫 「悪いが天国には行けねぇぜ?‥‥天の道さえ切り裂く‥‥それがリッパーさ」 リッパーが両手を下から振り上げ交差させた カッ!と妙な音がする オレンジの光りに黒と青の線が刻み込まれ黒い炎が吹き上がり青白い霜が結界の表面を走り砕けた 壊した!燃やした?凍らせたの?
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