夢想への鍵

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先の見えないごく近い未来 そのための勉強 私のようになんの意味も目的も見いだせない人は 熱が入らない リッパーの寝顔 1年待った 私が求めてた幻は現実になり今じゃ手で触れる 勉強どころじゃなくない? もう1度触る フワフワ 妖精にしては口が悪いけど 「ぅうぅ‥‥痛い‥‥頭割れちまうっての」 急いで手を離す ヨロヨロと起き上がり 辺りを見回す おでこを両手で押さえてる 「次で降りっからな」 首をコキコキしながら言った あまり見慣れない隣町にいつのまにか来ていた 大きなアーケードがあって去年下水道で事故があったはず この街に妖精の特殊部隊の本部があるのかぁ 知らなかった 何度か来たことはあるけど妖精なんかみたことないし 電車のスピードが落ちる 窓の外の踏み切り 少しだけ電車の通過を待つ人達が見えた 「降りるぜ」 扉が開く 何人か乗り込んできたけど誰もリッパーに気付かない スルスルと通り抜け ホームに降り立つ 後に続く こんな時間に制服を着てる私を何人かがジロリと見る 別に気にならない リッパーから離れちゃいけない 彼が今は私の鍵だ よく知らない街の駅からでてアーケードを歩く 殆どの店のシャッターは下りている 野良犬と座り込んでる私とたいしてかわらない年頃の男の人達 アーケードの切れ目にある信号で立ち止まる 「あぁ、こっから見えるな、あそこの最上階が本部だ」 リッパーが指差す方向 大きな満月と 大きなマンションがある 「あそこが俺達ブリューナクの本部だ」
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