緑君

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20階建てのマンション 他に背の高い建物は辺りにはなくやたら目立つ この街を一望できる高さ 信号を渡りアーケードから外れて少し歩く ここかぁ 妖精の住んでるとこって感じじゃないなぁ 普通のマンション 正面は片側2車線の道路 白いガードレール マンションの入り口に5段ばかりの階段 リッパーは跳ねるように階段を登る スゥッとドアが開く 立派なロビーに綺麗な冷たそうな石の床 管理人さんがいる窓口はあるけど無人 オートロックだ 当たり前か リッパーはテーブルに飛び乗り鍵穴に鍵を差す 銀色の郵便受けが並び壁のようになってる 「燈子、こっちだ」 ドアの前のリッパーが手招き 大理石の廊下 エレベーターが2つ 1台の扉が開いててそれに乗る ピョンっと跳ね20のボタンを押す スゥッと扉が閉まり昇り始めた 「普通のマンションよね?」 ん?と顔をあげ私を見る 「普通‥‥だろな、燈子から見たら、住人はほぼ人間じゃないけどな」 妖精かな? 会ってみたいなぁ エレベーターの窓から廊下が見える とりあえず普通で向かいにもう1台のエレベーターがあるだけ 音もなく止まり扉が開く 20階 外の見える解放廊下 この階には部屋は1つだけなのかドアが1つ きっと大きな部屋なんだろうな
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