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‥‥‥ここは
さっきの汚ねぇ部屋か
足元に転がる空き缶を軽く蹴る
「あなたの部屋は8階の角部屋です、行きましょう」
ｶｳﾝﾄがﾌﾛｰﾘﾝｸﾞの床にﾌﾞｰﾂの音を響かせながら歩きだした
日本ってのは靴を脱ぐもんだと思ってたけどな
まぁ実際はめんどいだろうしな
ただの噂か
ｴﾚﾍﾞｰﾀｰに乗り8階へ降りる
「とりあえず生活に必要なものは揃ってます」
「ﾁｰﾌﾟﾎﾃﾙよりはﾏｼってことか」
8階の開放廊下
遠くにさっきの港が見える
大型ﾀﾝｶｰの小さな灯り
風にまとめた髪がなびいた
角部屋のﾄﾞｱの前
「これがこの部屋の鍵です、なくさないように‥‥それじゃごゆっくり」
ｸﾙﾘと向きを変え戻っていく
つまんねぇ猫だ
鍵を差し込み回す
ｶﾞﾁｬﾘ
ﾄﾞｱを開く
真っ暗な廊下に背後から月明かりが射しﾌﾛｰﾘﾝｸﾞを黒光りさせる
向こうに大きな窓
ﾘﾋﾞﾝｸﾞにも月明かりが入り込んでる
ｶｰﾃﾝくらい付けろよな
まだ新築の匂いがする
ｺﾞﾂ‥ｺﾞﾂ‥
静寂にﾌﾞｰﾂの音が響く
一人暮らしには少しﾃﾞｶい冷蔵庫
TVもあるな
ﾚﾝｼﾞに洗濯機
三人掛けの黒いｿﾌｧと足を乗せるにはちょうどいい高さのﾃｰﾌﾞﾙ
風呂とﾄｲﾚは別か
ﾕﾆｯﾄﾊﾞｽは好きになれねぇから助かる
ﾁｶｯと赤い小さなﾗﾝﾌﾟが点滅を繰り返してる
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