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「にしても、お前美人だな~。寝てるとき襲おうか迷ったくらいだぜ」
迷うな、んなこと。
体を守るように腕で足を引き寄せ縮こまる。
「でもま、お頭にばれたら海に捨てられかねないからやめたけどな」
お頭って女?
お頭とできてんのか?
こいつ…。
浮気は許さん!!
とか?
「お前ならお頭、気に入るかもなぁ~」
気に入るってレズ!?
いや待て…。
普通に男ってことか。
目の前の男は品定をするように上から下からジロジロ見てくる。
ビシッと人差し指で指差され、
「お前、今から捕虜な!」
宣言された。
はぁ!?
驚いた顔をしていると
「ここで死ぬよりマシだろ?」
腕を捕まれ、無理矢理立たされる。
今気付いたが、私は靴をはいていなかった。
嵐の海に……と言うのはホントらしい。
「ほら行くぞ!ちゃっちゃっと歩け!」
グイグイと腕を引っ張られ、自由がきかない。
無理矢理引っ張るもんだから足はもつれ、何度も転ぶ。
それでも容赦なく引っ張る男。
チクッ!
足の裏に痛みが走った。
だが男の力に逆らえず、痛がることすらできない。
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