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しばらくするとノック音がしてカガミと呼ばれた男が現れる。
細いフレームの眼鏡をかけ、長身で鼻筋のとおった色男。
髪は色素が薄い青で、長髪を後ろで束ねている。
「キャプテン!また女を連れ込んでるんですか!?いい加減にしてください!」
使っているのは敬語だけれど、対等な態度。
それなりの権威がある人だろうか?
彼は私の存在に目もくれない。
ただそこに“女がいる”としか認識してくれていない様子。
「あ゛あ、うるさぃ!いいからこいつ見てやってくれ。怪我してるんだ」
キャプテンと呼ばれた男のその言葉でカガミはこちらを見る。
「おや。今回はまだ手を出していないようですね」
視線が上下し服や体をチェックされる。
とりあえず抗議もせずに触診を受ける。
「抵抗…なさらないんですね。見ず知らずの男に触られても平気なんですか?」
カガミは傷のある足をチェックし、手際よく消毒を施すと包帯を巻いていく。
「なぜ?あなたは医者なんでしょ?男と女以前に“医者”と“患者”でしょ。触られるの拒否してどうするの? 」
ケロッと言い返す。
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