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竜牙は光に靴を履かせ、ドアを開けた。
―ガチャ
「…うわっ…お、お客さん?…と光?」
ドアの前に少年が立っていた。
「拓海兄さん…」
「おお、光…こいつは誰だ?」
拓海と呼ばれた少年は竜牙を指差す。
「…えっと…」
「オレは相禅 竜牙だ。
ついでに言えば光の婚約者だな」
「婚約者だと…」
‘婚約者’という言葉を聞きくと声を低め、竜牙を睨む。
「僕は安藤 拓海(アンドウ タクミ)。光の兄みたいな者だ。
お前は何故光を連れて行こうとする?」
「言っただろう?
オレは光の婚約者だと」
竜牙は光を連れ、家の前に停まっていた車へ乗り込んだ。
「待て!」
拓海の停止の言葉は届かず、車は発進した。
「…くそっ……光…」
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