四章

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  「何だ?これが気に入らねぇのか?」 「いえ、そうではなくて…」 「じゃあ何だ?」 「こ、こんないい素材のものを…」 明らかに高そうな素材の布地である。 「ん?値段なら気にするこたぁねぇよ。 そんなに高ぇ物じゃねぇからな」 「でも…」 光はなかなか受け取ろうとしてくれない。 「俺がお前にプレゼントしてぇんだ。俺のためだと思ってもらってくれねぇか?」 光の頭にポンッと手を置き、優しげに笑った。 「…あ、ありがとう…ございます…」 竜牙の声から竜牙の気持ちを読み取った光は、しぶしぶと布地を抱きしめた。 「おう!」  
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