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それはある日のことだった。
―トン、トン、トン
光は友達と別れ、目の不自由な人が使う棒で道を叩きながら、いつもの帰り道を歩いていた。
―トン、トン、ト…
「ん?」
後ろからやって来た車が光の横で止まる。
―バタン
中から誰かが降りて来た。
「会いたかった…
向かえに来た、オレの花嫁」
フワッと抱きしめられる。
「え?…え?」
光は突然のことに理解出来ない。
「ど、どういうことですか?
とりあえず…は、放して下さい」
「スマン、おめぇに会えたことが嬉しくてな」
「は、はぁ…
ところで貴方はどちら様ですか?」
「オレか?
オレはおめぇの婚約者だ」
聞きなれない言葉に思わず叫んでしまった。
「こ、婚約者ぁ!?」
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