一章

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  ―ゴクッ テーブルに置かれた飲み物をグビッと飲み干した。 「さっそくだが、本題に入らせてもらう。 オレは彼女の婚約者だ」 「貴方様が光の婚約者ですか… 話は光の両親から聞いていますよ。」 「なら、話がはえぇ オレはオレの花嫁を迎えに来た」 「どうぞ持っていってくださいませ。 ちょうど彼女の世話にうんざりきていましたから」 女性はひどく冷たく言い捨てるように言った。 「そ、そんな…こと… わかってましたよ… わかりました…出ていきます… 今までお世話になりました…」 「…ッ、じゃあ花嫁はもらっていく」 竜牙はショックを受け、今にも泣きそうな光の手を握った。 「光、もう戻って来なくていいわ」 「好都合。離す気などさらさらない。 後で、光の荷物を運ぶ使いをよこす」 そう言って竜牙は光の手を引いて出ていった。  
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