第2話~悲惨な始まり~

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【Another View Saori】 月明かりに照らされた畦道を私は独り歩く。 良かった。 さっちんが約束を覚えてなくて本当に良かった。最初は惚けていただけかとも思ったけど、あの様子だと本当に忘れてると考えていいよね…。 そう思うと自然と足取りだって軽くなる。 見慣れたこの道だってなんだか素晴らしい物に思えるんだから何だか不思議。 「ふふふ」 あぁマズい。何がマズいって顔が緩みきってるのが戻らない。 何もない畦道を一人でニヤニヤと……端から見れば気持ち悪い変質者とも言えるかもしれないけど、 「今くらい良いよね♪」 せっかくさっちんに逢えたんだから。これくらいは有頂天になっても良いはず。 私は今まで、この時をただ待ってたんだから…。 無神論者の私だけど神様っていうのがいるなら、今だけは感謝してもいいとすら思える。 さぁ、明日はさっちんと何しようかなぁ…。 【Another View END】
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