第1話~出会いという名の再会~

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沙織に連れられ、村を見て回ること3時間…。 いい加減疲れた俺達は、沙織の行き着けの店とやらに行く運びとなったのだけど。 「………ここか?」 「うん♪ここの出す昆布茶が美味しいんだから」 昆布茶……昆布茶か。 他人の嗜好に口を出すつもりはないが、今をときめく若者が昆布茶か…。 なんだか意味もなく泣きたくなった。 いやいや、それよりも問題なのは…。 「ここって、あきらかに民家じゃあ…」 「うん。小梅婆ちゃんの家」 「いや駄目だろっ!?」 あっけらかんと答える沙織に対し、声高に抗議して、今一度小梅婆ちゃんの家とやらを眺めた。 うむ。だいぶ築年数が経っているのだろう。 年月を重ねた木造住宅は、それだけで趣を感じさせる。 「小梅婆ちゃ~んっ!」 「って、こらこらこらこらっ!!」 人が物件観察を行っている間に、既に沙織は家の中へと入って行った。かと思いきや、玄関から身を乗り出し…。 「早く来なってば!小梅婆ちゃんの昆布茶って美味しんだから」 「……誰もそんなこと心配してねぇ~…」 渋々ながらも、俺も後に続く。 「お、おじゃましま~す…」 「あら、いらっしゃい」 いきなりラスボス登場っ!? 目の前に現れた小梅婆ちゃんらしき人物に軽くたじろぎながらも、お辞儀をした。 「おやおや、随分と礼儀正しい子だねぇ」 「……恐縮です」 「ふふふ…そんなに固くならんでもよいよ。さぁ、沙織ちゃんならすぐそこの部屋にいるからね」 そう言って指さされた部屋は、居間……だろうか?それらしき部屋へと繋がっているらしい。 軽く会釈をして、俺もその部屋へと入っていく。 瞬間………俺を、畳に寝転がっている沙織が出迎えた。 「どんだけリラックスしてんだよ…」 「ちゃんと小梅婆ちゃんから許可貰ったよ?」 誰もそんな心配はしてないのである。 が、結局は小梅婆さんから昆布茶をご馳走になってしまい…。 俺は、沙織の提案で学校を見に行くことにしたのだった。
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