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俺は簡擁の行動に驚いて一瞬反応が遅れたが慌てて簡擁を引っ張ると簡擁の目の前を蛇矛が通り過ぎ簡擁が尻餅をついて倒れ込んだ。
簡擁は苦笑いしながらもこっちを向くと
「本当にやるとは思わなかったないや~助けたかいがあった。
ありがとな。
ほら、預かってた細長い剣あそこにあるからさっさと帰んな。」
と言って尻についた砂埃を払いながら立ち上がった。
張飛は再び簡擁を殺さんと怒鳴り声をあげながら蛇矛を横に振るった。
しかし、それは簡擁に届くことなく義兄、関羽によって弾け跳び空中で四回転ぐらいすると地面に突き刺さった。
張飛は痺れたのか蛇矛を持っていた右腕を押さえながら関羽を睨むと
「簡擁がそこの餓鬼を逃がしたんだぞ。
殺して何が悪い。」
喚きちらした。
その声の大きさに俺と美羽、簡擁は思わず耳を塞いだがそれを上回る声で
「私憤で人を殺すな。」
関羽が怒鳴り付けると張飛を獲物、青龍偃月刀を持ってない方の手で殴り飛ばした。
俺は張飛のあの巨体が1、2m飛ぶのを口をあんぐりと開けて見ていたが関羽がこちらを向いて
「義弟が迷惑を掛けた、すまない。」
と頭をほんの少しだけ下げた。
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