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俺が手を放した瞬間、張飛が飛び起きて俺に襲い掛かろうとしたが関羽が張飛の前に立ち塞がり
「翼徳、見苦しいぞ。」
と一喝した。
張飛は怯んだが再び怒りの形相に戻り
「俺は負けてなかった。
あんなの直ぐに抜け出せたのに雲長兄が勝手に止めたんだろ。」
と関羽に噛み付くように言うと関羽の横を通り過ぎようとした。
俺は念のため攻撃されても大丈夫なように急いで刀を拾って田豫が治療しているオッサンの所に避難すると張飛の方を向いた。
俺はてっきり張飛が追い掛けてきてると思っていたのだが張飛は劉備と関羽に止められて何か説教されていたので安心してオッサンの横に座った。
オッサンは痛そうに顔を歪めながら上体を起こしこっちを向くと
「すまない。
自分で言ったのに油断してやられて結局任せっきりで。」
と右腕をプラプラと揺らしながら頭を下げた。
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