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天井に集まった顔がどんどんお互いを取り込み合い、大きな顔になってせり出て来る!
その大きな口からは大きな歯が見え、大きな顔は歯をガチガチと鳴らしているんです。
まるで私を噛み砕こうとするかの様に、それは天井から垂れ下がって来ました。
私はもう逃げ場も無く、御守りを握り締めて早く気を失ってしまいたい一心で目を開いていました。
ですが、気を失う事が出来ません。
大きな顔はどんどん近付いて来ます。
湿っぽくて生臭くて温かい息が顔にかかった瞬間、私は思わず御守りをその大きな顔に目掛けてぶつけました。
次の瞬間には何事も無かったかの様に部屋は元通りになっていて何だか拍子抜けしてしまいましたが、どっと疲れた私はそのまま眠ってしまいました。
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