歩く死体

3/8
前へ
/8ページ
次へ
『とりあえず土下座しよう.......殴られるくらいは仕方ない.....』 そんな事を考えながら彼は玄関を開けました。 『こんばんは~.........哲夫...です』 しばらくすると、奥から足音が聴こえてきました。 『いや~遠い所よくきたねえ~』 彼は両親のあまりに明るい態度に少々驚きました。 父 『さあさあ.....そんな所に立ってないで...上がって上がって』 哲夫 『ハイ.....あの~今回のことはなんとお悔やみしていいのか......』 父 『うんうん』 あれ?.......オカシイな....幸恵が帰郷した理由は聞いてないのか......。 自殺の理由は俺だと知らないのか.......... 父 『晩飯食べていくだろ?』 哲夫 『いや........でも.......』 父 『まあ.....いいじゃないか....娘の東京での楽しかった話しでも聞かせてくれよ』 哲夫 『わかりました。御馳走になります。』 哲夫は仏壇で拝みながら、 『お前......なにも死ななくても......』 話しかけました。 ........どうやら俺が他に女を作ったことは知らないらしい..... お父さんが俺を見る時の目も、敵意どころか本当に親しんでいる。 『こんなことなら...許してやるんだった...』 というところかな....?
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

31人が本棚に入れています
本棚に追加