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衣玖斗「鬼頭さん」
鬼頭さんは二度目の呼びかけにも反応しなかった。
つまり、無視しているのだ、俺を。
少しいらつきながらも再び呼びかける。
衣玖斗「鬼頭さん?」
しかし、また無視された。
さらに、いらいらが積もる。
衣玖斗「聞いてんのかよ!?鬼頭さん!」
怒鳴るように呼んでしまって、少し悪いような気がした。
だが、どうせまた無視されるのだろうからどうでもいいことだ、と思った。
しかし、予想外にも言葉が返ってきた。
魅月「ねぇ、鬼頭って呼ぶの、やめてくれない?」
その時、初めて気付いた。
鬼頭という名字のせいで変な噂がたっているのだから、当然鬼頭と呼ばれるのは気持ちのよいものではないだろう。
衣玖斗「あ…悪い。じゃあ…」
魅月「魅月でいいよ」
衣玖斗「あ、ああ。じゃあ魅月、少し聞きたいことがあるんだが」
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