一章‐転校生‐

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窓から入ってくる光が顔にあたる。 意識がぼんやりとする。 なにか…嫌な夢をみていたような気がする。 衣玖斗「今…何時だ?」 枕もとの時計を見ると六時十分を指している。 …俺にしちゃあ、なかなか早起きだ。 衣玖斗「ま、たまには悪くないか」 もそもそと布団から出て、のろのろと着替える。 そして、朝食のパンを焼き、テレビをつける。 ニュースアナウンサー「えー、明朝二時三十分頃、〇〇県△△市で殺人がありました。警察は被害者の血で床に書かれていた『鬼頭』という字から三ヶ月前から△△市で起きている鬼頭連続殺人事件の十五回目の事件として調査しています」 また…被害者がでたのか… 俺は、この事件をただの事件だとは思っていない。 住んでいる街だから…というのもあるが、なにより証拠が一つもでていないのはおかしすぎる。 だが、俺にはなにもできない…それはわかっている。 そう、俺にはなにもできないんだ。
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