一章‐転校生‐

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日直が帰りの号令をかけ、帰る者や話をしている者がいる。 そんな中、教室から静かに鬼頭さんが出ていった。 やべ、追い掛けなきゃ。 急いで教室を出ようとする。 雨太「あれ?衣玖斗どこいくの?」 衣玖斗「あ、悪い雨太。今日少し用事があるから先に帰ってくれ」 雨太「うん、わかった」 衣玖斗「じゃあな」 雨太にそう言い、教室から飛び出る。 既に鬼頭さんは見えない。 まだ昇降口あたりにいるだろ。 走って階段を駆け降りる。 …いた。 もう靴を履きかえて歩き出すところだ。 衣玖斗「鬼頭さん!」 そう呼びかけたが聞こえなかったのか、すたすたと歩いていってしまった。 衣玖斗「くそっ」 すぐに靴を履きかえて追い掛ける。 鬼頭さんは校門をでて、俺が帰る方向と逆にある緩やかな坂を下っていった。 それを追い掛け、鬼頭さんの後ろまできた。
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