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「それで火は通るの?」
相変わらずの体制のまま首を傾げ聞いてくる鹿野さん。
燃え盛るとうもろこしと俺とを秒刻みで見比べる。
何だかブリキのおもちゃみたいで可愛い。
言わないけど。
「あぁ、あらかじめある程度の商品に火は通して置くんです。ストックみたいなもんですね。そうしたほうが大量注文に素早く対応出来ますからね。」
「効率的、納得。…あ、ケイ。」
説明に満足げに頷いた鹿野さんは首を引っ込める。なのにそこから声を掛けてきました。
「ん?」
なんでしょう?まさか愛の告白?
「…ケイは頑張ってると思うよ。」
え?…あ、あぁ。
「お誉めの言葉。感謝の極みでございます。…ほら、氷。溶けても知りませんよ?」
「愚問。有り得ない。溶ける事は許さない。」
そういって鹿野さんはかき氷機に氷を継ぎ足しに行っちまいました。
どうやら聞かれちゃったみたいですね、さっきの台詞。
「とと、盛り付け盛り付け。おろ?とうもろこしも良い具合。」
注文を受けてわずか三分足らず。流石俺です。
「焼きそば焼きとうもろこし2つづつ出来ましたよー!!!」
「やかましい!!静かにしろ!!!」
意気揚々と声をかけると澄添さんが鬼の形相で此方を見て怒鳴ってきました。
澄添さんは俺にどうして欲しいんでしょう。
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