生き人形

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しかし稲川さんは特に気にも止めず、標識は遥か後方へと過ぎて行った。 東さんは相変わらず面白い話をして稲川さんを笑わせている。   しばらく走っていると、また同じような丸いものが見えてきた。 再びその標識らしき物を通りすぎたのだが、人間というのは面白いもので、同じ出来事が複数回続くと 「またあるんじゃないか?」 と思うものである。 多くは偶然なのだが、稲川さんはさらに同じような物をはるか前方に発見した。 しかし、形が先ほどまで見ていた物と違うのである。 距離はかなりあるはずなのだ。しかし稲川さんはそれが、 「人の形をした物」 だと、すぐに気づいたそうだ。
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